14
会社訪問
インタビュー有限会社ショウエイ技建
代表取締役 竹井 忠一 様
社員が未来を描ける
正しく栄える会社に
育てていく
東京都板橋区成増に本社を構える有限会社ショウエイ技建は、内装工事の会社です。建築業界が抱える慢性的な人材不足の問題に真摯に取り組んでいる竹井社長。「まずやってみる」という精神で、ホームページやSNSでの発信に挑戦したり、働き方の改善にも積極的に取組み、人材確保の道を切り開いている社長さんです。社名通り「正しく栄える」という思い、そして夢についてインタビューしました。
警察官になる夢をもちながら内装業の道へ
有限会社ショウエイ技建は、店舗や大規模ビルなどのLGS 組立工事、ボード貼り工事などを行う内装工事の会社です。LGSとは軽量の鉄骨のことで、天井や壁の骨組みに使います。LGS工事で部屋を区切り、天井や壁の表面となる石膏ボードを貼って仕上げていきます。
私は高校卒業後、当初、警察官を目指していました。当時はバブル崩壊真っ只中で、警察官の採用試験も受験者が多く厳しいものでした。試験に備える傍らアルバイトとして働いていた会社の親方に、「本腰を入れてこの仕事をやってみないか」と言ってもらったのがこの業界に入るきっかけでした。
正しく栄えること
社名に込められた思い
親方のもと社内外注として独立後、しばらく個人事業主としてやっていましたが、その後2004年に法人化をしました。社名は、「確かな技術をもとに正しく栄えていきたい」という思いを込めて「ショウエイ技建」としました。
私やショウエイ技建と知り合った方々が、縁を持ったことを後悔してほしくない。そのためには、仕事の施工に関しても、税金に関しても、社員に対しても、真正面から全力で、自分ができることをとにかくやれるだけやりたいと思っています。
ごまかしや隠し事、嘘があると見透かされます。だからこそ、自分はできる限り正直であり続けたいです。
会社成長のための人材採用戦略
弊社では、人材が事業拡大の要と考えて、採用活動に力を入れています。当初は求人サイトに広告を出し、経験者を多く採用していました。しかし、定着率がよくありません。10人雇っても定着するのはほんの一握り。そこで高校生の採用に力を入れることにしました。
当初は高校の先生方が集まる名刺交換会に参加し、ご挨拶からのスタートでした。その後、全国の高校に会社紹介のパンフレットを送りました。数にして800校ほどは送ったでしょうか。
また、名刺交換先の先生が勤務する高校に出向き、直接お会いすることで、採用について多くの助言をいただきました。
助言の中で大きな課題と感じた点が、①月給制の導入 ②週休2日制の導入 ③研修の導入です。どれも他業種では当たり前のことかもしれませんが、建設業はそうではありませんでした。月給制と週休二日制は高校新卒の子に適用できるよう、選択制で始めました。研修の導入については、研修施設の作成から研修プログラムに至るまで、すべてが手探りでしたが、徐々に形になってきました。
SNSの活用
自社を発信する必要性
数年前に求人目的のHP(ホームページ)を立ち上げました。検索上位になるためには更新頻度が大切と聞き、まずは当日の現場名などを欠かさず更新することから始めました。その後、HPの集客に繋げようと、「モーニング娘。」の元メンバーとの対談動画を作り、HP内にリンクを貼ることも試しました。
現在力を入れているのはYouTubeの動画作成です。YouTubeの動画のリンクが HP上にあると、検索での評価が上がりやすいと聞いたからです。クリエイターを雇って月に1本程度の頻度で更新しています。
動画で新入社員研修や、弊社の業務内容を伝えることで、採用時のミスマッチを無くすなど、効果があると感じています。
社会貢献
次世代への承継
私はこの業界で約30年間ご飯を食べさせてもらいました。社員、建設業、そして社会のおかげであると思っています。これに恩返しするには、社会貢献が必要と思っています。中小企業が、事業を通じて社会貢献することとは、正当な業務で利益を出し、社員にも最大限に還元した上で適正な納税をする。そして、その残った利益で新たな雇用を創出していくことだと考えます。また、建設業に携わる者として、日本の建設技術を日本人の手で残していきたいです。
幸いにも、この数年は高校生の採用活動が実を結び、年間2~3名の採用ができています。一方で、時にはすぐに退職してしまう方もおり、常にうまくいっているわけではありません。どうしたら社員にとって居心地の良い会社を作れるのか、日々考えをめぐらせています。
18歳から弊社で働くことを選択した子が、家庭を持ち、家を持つという将来設計ができ、「ショウエイ技建で働いてよかった」と思える企業にしたい。
そのためには、私の引退によって会社を終わらせては無責任です。今年50歳を迎えますが、タイミングが来たら、次世代にバトンを渡さなければ、今、弊社を選んでくれたみんなへの責任が果たせません。
そのバトンは、できれば社員に渡したいです。経営に興味を持ち、弊社の思いとやり方を引き継いでくれる社員を探すところからのスタートなので、課題はたくさんあります。
これからも、弊社と関係を持って良かったと思ってもらえるよう、全力を尽くしていきたいと思います。
有限会社ショウエイ技建
東京都板橋区成増に本社を構える内装工事の会社
東京都板橋区成増 2-10-3 三栄ドメール201
https://www.shouei-giken1119.com/