DAIICHI KEIRI SEMINAR 第一経理ゼミナール

財務諸表の基礎知識について図表を用いて簡単に説明されており、身近な企業の実際の数字を用いた会計クイズを解きながら復習していくので、イメージが湧きやすいです。

クイズを解いていくのも楽しく、同業種のビジネスモデルの違いや比較がわかりやすく解説されていました。ただし、財務諸表の全体像は理解できたものの、この本を読んで実際の経営分析ができるかというと少々疑問。

有名企業がどのようなビジネスモデルで運営されているか改めて認識できる本。中小企業もビジネスモデルを確立することで、ある程度貸借対照表が予想できます。その構成が偏ったものでないか、何か特別な要因が加わっていないかなど、見方が変わってくることに気づかされました。

教科書のように単元に分けられています。1単元が絶妙な短さなので、読み進めるのも楽、読み返すにも重宝すると感じました。何よりこの本の薄さに感動しました！

流動資産が「脂肪」、固定資産が「筋肉」など人体に例えているが、「脂肪より筋肉が多い方がよさそうだから、とにかく流動資産を減らして固定資産を増やした方がいいのでは？」などのように思ってしまう危険性も。もちろん「バランスが大事」とは本書でも書かれているのだが。

最初の基礎編、分析編はわかりやすいが、実践編になってくると財務三表を絡めた分析に、前半で学んだ会計用語が次から次へと出てくるので、前半の内容がしっかり頭に入ってないと一気につまずき、ここで、読む手が止まってしまう人もいるかも……。