DAIICHI KEIRI SEMINAR 第一経理ゼミナール
今回のテーマ
世代の若手社員と
上手にコミュニケーションするために
第一経理ゼミナールとは、
第一経理グループPR委員会メンバーが、
日々お客様と接する中でお聞きした、
お客様が今知りたいこと、気になることをクローズアップ。
解決のための本2冊をお客様に代わって
読み比べ + 勉強会を行い、ブックレビューします。
今回のテーマは「Z世代の若手社員と上手にコミュニケーションするために」。Z世代とはおおよそ25歳前後の若い世代を指します。若手社員と日々接する中「こちらの意図が伝わらない」「彼らの気持ちがわからない」など、どのようにコミュニケーションを取ったらいいか戸惑っているという経営者の声をよく聞きます。彼らと円滑にコミュニケーションを取るためにはまず、Z世代を知ることが大切。悩んだら、まずこの本を手に取ってみましょう。
『Z世代・さとり世代の上司になったら読む本』
世代間ギャップを学び、
コミュニケーションのテクニックまでを
教えてくれる一冊
もともとITエンジニアであった筆者が、管理職になったことをきっかけにコミュニケーションについて学んだことや実体験についてまとめた本です。「Z世代」「さとり世代」と呼ばれる若手社員を部下に持つ中堅管理職に向けて、良い関係性を築くためのコミュニケーションのポイントを解説しています。「団塊の世代」から「Z世代」「ゆとり・さとり世代」など、言葉の定義をしっかり固めた上で話が進むので、各世代の特徴や傾向をつかみやすく、世代間ギャップの正体をチャートで可視化していてわかりやすく解説されています。
いいね!
「受け入れる」のではなく
「自分の外におく」ことが多様性への第一歩。
自分の常識や価値観を当てはめて同じ「解釈」を求めるのではなく、多様性を認識することがコミュニケーションギャップ、世代間ギャップを埋める解決策の一つであると説いています。しかし、異なる価値観を受け入れるのは優しいことではありません。「受け入れる」のではなく、「自分の外に置いておく」。そういう考えもあるよね、と相手の価値観や行動を必ずしも受け入れる必要はないと、少しコミュニケーションのハードルを下げてくれています。
いいね! 上司側への希望のメッセージも込められた一冊。
「時代の流れだ!若手を理解しないと生き残れない」というのではなく、「中堅世代が楽しく働くことこそが、これからの時代をつくっていく」ことに繋がるというメッセージが根底にあり、安心と希望がありました。私もこの本のターゲットとなる中堅世代。「就職氷河期・ロストジェネレーション世代」といわれ、不遇な時代であったとしても、マインドを変えない限り、すべてを時代のせいにしたり「オレたちのときはこうだった」というキモチや型にとらわれていると、そこですべてが停止してしまうことを、あらためて実感しました。
いいね!
若手世代にとって上司は「ガチャ」。
まず上司側が変化を。
若手世代にとって上司は「ガチャ」(自分の意思で自ら選べないという意味)であり、若手世代のあきらめの心情をく表していると思いました。この世代間ギャップを解決するには、相手に変化を求めるのではなく「私たち」(上司世代)が変わることが大事。それが世代間の「vs.構造」から離れ、世代間ギャップを縮めることにつながるという考え方がよかったです。
まあまあ。 具体的な改善例があると、よりイメージしやすい。
この本に書かれていることを実践して、改善された会社などの具体例があると、よりイメージできると感じました。
まあまあ。 読んだことを実践できるのか、少々疑問が。
本当にすぐに実践できるだろうか?という疑問がよぎりました。自分の認識のゆがみについて、紙に書き出すなどのワークをしないとその場その場での内省は難しそうです。自分の「正しさ」を疑うことへの抵抗感もありそう。
テーマのまとめ
世代に関係なく、社内のコミュニケーションに悩んでいる方に読んでほしい。
コミュニケーション全般に通ずる考え方やスキルの紹介でもあるので、世代にかかわらず、組織で社員とのコミュニケーションで悩んでおられる方は、一読してみてはいかがでしょうか。本書の題名にあるZ世代、さとり世代の部下を持つ管理職だけでなく、部下となる世代にもおすすめできると思います。
今回のひとこと
帯のコピーには「若手に見限られる前に。」とあります。読むことがしんどくなる表現ですが、第1章で、若手世代との関わりを「ダイバーシティ&インクルージョンの問題」と書かれています。それぞれの個性を尊重し、違いを認め合うということです。この本を読み進めるには、感情を少しだけ押え込み、三人称的に、「なるほどなるほど」という感じでサクサクと読むと、とても面白く感じます。コミュニケーションに悩んでいる方はもちろんですが、人間関係で自分が変わらなくては、と気づいている方は読んでみたらいかがでしょうか。