今回のテーマ 発想力と行動力の
鍛え方

第一経理ゼミナールとは、
第一経理グループPR委員会メンバーが、
日々お客様と接する中でお聞きした、
お客様が今知りたいこと、気になることをクローズアップ。
解決のための本2冊をお客様に代わって
読み比べ + 勉強会を行い、ブックレビューします。

今回のテーマは「発想力と行動力の鍛え方」です。時流の変化のスピードがどんどん早くなり、これまでの常識が通用しなくなっている昨今。今必要なのは、豊かな発想力と行動力なのではないでしょうか。でもうやってこの2つの能力を鍛えるのか……。大胆な手法でビジネスを成功させた実例を学んでみませんか?

スキー場は夏に儲けろ!誰も気づいていない「逆転ヒット」の法則
和田 寛 著
東洋経済新報社 1,600円(税別)

『スキー場は夏に儲けろ!誰も気づいていない「逆転ヒット」の法則』 お金はなくても
「知恵」と「工夫」でバズらせて稼ぐ
「逆転発想」を紹介する本

スキー客が激減し、インバウンドもコロナで消滅。衰退する一方の白馬岩岳が、わずか2年で「冬よりも夏に稼ぐスキー場」へと大逆転し、メディアに注目されるまでに復活した経緯が描かれています。
著者は東大卒、元農林水産省官僚、コンサル会社勤務という華々しい経歴を持ち主。しかし、その陰で多くの地道な取り組みがされていたことが分かります。
復活に繋がった取り組みを、失敗例を交えながら、一つの「考え」に沿って、体系的に紹介してくれています。その「考え」とは「隠れた資産の見つけ出し、磨き上げること」であり、アイデアの出し方や実行への移し方の参考になると思います。

宮野さんまとめ!古川さんまとめ!清信さんまとめ!
宮野さん/
古川さん/
清信さんまとめ!
いいね! 興味深いアプローチがたくさんで勉強になる

まず筆者が取り組んだことがビジネスの定義。「わたしたちはスキービジネス」をしているのではない。ライバルは他のスキー場ではなく、東京ディズニーランドやUSJ、自分たちの土俵はレジャー産業であると定義づけています。「隠れた資産(」ポテンシャルがあるのに埋もれたままになっているもの)を見つけ出し、徹底的に「映え」を追求。SNSやメディアで注目を集め国内外から高い評価を得ることとなり、白馬岩岳のレジャー施設として認知されることに成功しました。とても興味深く力強いアプローチがたくさんつまった本です。

椎名さん
椎名さん
いいね! ビジネス書とは思えないくらい面白い本!

隠れた資産を見つけて磨き上げる。まずは隠れた資産になるものを見つけるために、自分自身がたくさんの経験をし、また思考を見つめ直すことが非常に重要だと感じました。ぜったいに成功する秘訣はなく、大事なのは「球をたくさん、矢継ぎ早に打つこと」「球をたくさん打ち続ける事のできるチームを作ること」。読み終えてみて、白馬に行きたくなりました。

宮野さん
宮野さん
いいね! 固定概念を打ち破り「隠れた資産」を
発掘するプロセスを学ぶ

「スキー場は冬に稼ぐもの」という固定観念を打ち破り、見えていなかった「隠れた資産」を発掘していくプロセスがとても興味深い。「冬のスキー場」から「季節を問わないレジャー産業」と自社のビジネスを再定義することで視野を広げて、失敗もしながら新たな可能性に果敢にチャレンジしていくストーリーは、とても勇気づけられると思いました。

佐藤さん
佐藤さん
まあまあ。 失敗事例も知りたくなる

球数を打つことの大事さを強調された著者。必ずしも成功に繋がらなかった「球」として他にどのような取り組みがあったのかを知りたいと思いました。

清信さん
清信さん
まあまあ。 上層部が冷静に判断する目が必要かも

「隠れた資産」を見つけ出すために必要とされる「内部の目」と「外部の目」について、トップやリーダーが認識、俯瞰できないと、なかなか難しいように思います。

古川さん
古川さん

テーマのまとめ

事業の再定義を考えるときの
ヒントが詰まっている

本書の通底にある「隠れた資産の発見と活用」の考え方は、企業経営や組織運営に携わる方にとって参考になると思います。とくに、人口減少や新型コロナによる社会変容により、自社の事業を再定義しなければならない場合のヒントになるのではないでしょうか。
ただ成功例を示すだけではなく、失敗例も交えながら逆転の為の要素や考え方を丁寧に解説しているので、レジャー産業以外の業界の方にもひとつの参考になる1冊です。

古川さんまとめ!佐藤さんまとめ!
古川さん/
佐藤さんまとめ!
今回のひとこと

隠れた資産」を見つけ出したい、と考えていらっしゃる方は意外と多いかもしれません。ただその見つけ方や、磨き上げて活用していく方法を考えるのはなかなか難しく思います。そのような方にはお勧めです。

池田さん
池田さん