DAIICHI KEIRI SEMINAR 第一経理ゼミナール
今回のテーマ
人間関係を理解する/
乗り越える方法
第一経理ゼミナールとは、
第一経理グループPR委員会メンバーが、
日々お客様と接する中でお聞きした、
お客様が今知りたいこと、気になることをクローズアップ。
解決のための本2冊をお客様に代わって
読み比べ + 勉強会を行い、ブックレビューします。
今回のテーマは「人間関係を理解する/乗り越える」です。上司、同僚、クライアント……社会で生きている限り、問題の端緒は人間関係に尽きるのではないでしょうか。「対話」をすることで乗り越えていくことを説く本書から、新しい向き合い方を学んでみましょう。
『他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論』
「ナラティヴ」という概念で
新しい関係性を構築していく
「ナラティヴ」という概念を用いて説明していくのが本書の特徴です。
「ナラティヴ」とは、物語、つまりその語りを生み出す「解釈の枠組み」のこと。ビジネスをする上では「専門性」「職業倫理」「組織文化」を指します。「対話」とは単なるコミュニケーションの方法ではありません。
論破するでもなく、忖度するでもなく、相手の「ナラティヴ」に入り込み、新しい関係性を構築すること。それこそが、立場や権限を問わず、新たな次元のリソースを掘り出して、組織を動かす現実的で効果的な方法なのです。
いいね! 結局、変えられるのは自分だけということを再認識しました
「分かってくれるはず」「どうして分かってくれないんだ」ではなく、「あの人はどうして反対するのだろう」と相手の立場にたって考える。自分のナラティヴを脇に置き、相手のナラティヴに立って考える。そうすることで相手と自分の溝に気づき、どうすれば自分のナラティヴから相手のナラティヴに橋をかけることができるかを考え、実行する。結局、変えられるのは、自分だけだなと感じました。
いいね! 「相手にも相手の事情がある」という言葉にドキッとしました
「相手は道具ではなく人間、相手にも相手の事情がある」という内容にドキッとしました。物事がうまく進まないときに「私は間違っていない、相手が悪い」と自分の思い通りに事を進めたくなる気持ちになる瞬間がありますが、目の前にいるのは自分にとって都合の良い「道具」ではなく、その人自身の考え方や見え方があることを忘れてし まっているのかもしれないことに気づきました。
いいね! 「相手の環境」を意識すると視野が広がる
一貫しているのは「自分が相手の立場だったら」を出発点として、関係を構築していくという考え方でした。仕事をはじめ普段の生活でも自分の視点から見て、いつの間にか「自分の見方が正しい」と思いこんでしまいがちなもの。そこを「相手がいる環境」ごと意識していくと、視野が広がり新しく取り組めることも見えてくると感じました。
まあまあ。 とはいえ、理解しあうのは難しいのでは?
対話をすることは新しい関係性を築くことだと、理解は出来たのですが、なかなか双方が理解しあうのには時間がかかるものだと思いますし、コミュニケーションを取る中で揉めてしまうことも無きにしも非ずでは?と思ってしまいました。なるほどとは思ったものの、実際に理解しあうのはかなり難しいのでは?と思ってしまいました。
まあまあ。 自分の環境に落とし込むのが難しかった…
実例が大手企業である前提が多く、自分の環境に落とし込んで読み進める必要があります。また、「ナラティヴ」が多く表現されていますが、ピンときませんでした。
テーマのまとめ
わかりあえないことを認めたうえで、新しい関係性を構築することを説く本
筆者である宇田川氏が自説に行き着くまでには、強烈な経験が元にあります。大学院生の時、会社経営をしていた父親が多額の借金を抱え他界。借金返済に翻弄される中、知識として正しいことと、実践することの間には大きな隔たりがあることに、もどかしさを感じます。実践が難しい要因として、ノウハウやスキルで解決できる「技術的問題」と、一方的には解決できない(自分ひとりでは解決できない)「適応課題」が混在していることに気づきます。「適応課題」の解決策として、「対話」をすることが必要といいます。「対話」とはお互いわかり合えないことを認めたうえで、新しい関係性を構築すること。大手企業やスタートアップ企業でイノベーション推進や組織改革の顧問を務める筆者が実例を交えながら、「対話」の手順や手法を紹介しています。
今回のひとこと
人とのやり取りの中でなんとなくもやもやとした違和感を覚えることがあると思います。その違和感がどこにあるのか、本書はそれを紐解いてくれるものになると思います。また、日ごろから対話というものが重要であるとわかっている方も、本書によって、場面場面を意識することで一層その意味が理解できると思います。
この本の推薦者 是永さん
価値観の違いを本当に理解することの大切さ
私たちの歩んできた人生は人ぞれぞれ違う、これは事実であって、だから価値観も違います。その当たり前のことを私たちは日ごろから本当に理解しているのか。それを問いかけてくれる本でした。